イングランドでは、週に2、3試合はスカイTVで色々なサッカーを観戦している。今夜はFAカップのWeymouth対Nottingham Forestの試合をスカイTVで観ていた。国内6部のセミプロクラブと、国内3部のプロクラブの対戦が、スカイTVで放送するのだから、ファンも大喜びのようでスタンドは満員でした。
ウェイマスのホーム平均観客数は1200人程度だけど、今夜の試合には6000人以上もの人が観に来ていた。ウェイマスのファンとしては、自分のクラブが国内3部の名門プロクラブと試合するのだから、観に行かない訳にはいかないようだ。
先々週の日曜日の昼には、これまたFAカップの試合をBBCで観ていた。国内9部のセミプロクラブと、国内3部のプロクラブの試合だ。普通なら、こんなにレベルが離れているクラブ同士の試合は滅多に観る事が出来ないけども、クジ運でたまたまこのような対戦になってしまったんだ。
これがFAカップの一番の醍醐味だろう。僕自身がプレーするようなレベル(国内9部)のクラブが、名誉あるFAカップで国内3部のプロクラブをホームにわざわざ呼んで試合をするのだもの。
そしてそんなレアな試合だから、BBCはその試合を地上波で全国放送した。ニュースでは、その行為を「BBCがプレゼントした」って書いてあったけど、まさにその通りだと思う。その国内9部クラブを取り巻く人々への、最高のプレゼント。
チケットは完売でグランドは満員。柵に登ったり、ワゴンの上に乗って外から試合を観ているファンもたくさんいた。試合結果はなんと、1−1の引き分け。試合後、まるで試合に勝ったかのように喜ぶ選手とファン、そして監督。プロクラブと同等の試合して引き分けたのだから、嬉しくない訳が無いよね。
その試合観ながら、自分がプレーするようなレベルのクラブでも、こうやってプロと試合出来て、しかも全国放送されてしまうんだぁ。と何か夢みたいなものをもらい、少しワクワクしました。ウェイマスの試合もそう。自分にとって少し身近な国内6部のクラブが、ノッティンガム・フォレストとFAカップで対戦出来て、スカイTVで試合が放送されるなんて。
ちょうど、去年の今頃もFAカップで、国内7部のセミプロクラブが、プレミアリーグのニューカッスルと試合をして、BBCが同じように全国放送したけど、その時も試合を観ていた自分は今と同じような想いになったのを覚えてる。「おお〜!7部のクラブでも、プレミアのチームと戦えるんだ」と。
骨折日記と題して観にいった、ゴスポートのFAカップの試合も、特別に地元ラジオ局がラジオ放送をしてくれた。それも同じ。
毎年プレシーズンには地元のポーツマスFCが、同じく地元ポーツマスにある国内6部のHavant & Waterlooville FCと練習試合をする。これは要はハヴァントと言うクラブ、選手、それを取り巻く人々へのプレゼントである。ポーツマスFCと試合が出来るのだから、ハヴァントの選手やファンは練習試合と言えど大喜びだ。
そんな試合を見逃すかと、その試合の観客数はリーグ戦平均の約7倍。その入場料も、ポーツマスFCがくれたプレゼントと言ってよい。そういった形で、各地域でプロクラブが下部リーグのセミプロクラブと試合をしてくれるのだ。下部クラブ発展の為に。
それも同じ。
もっと小さな事で言えば、毎週土曜日に発行される地元のスポーツ新聞も、イングランドのノンリーグの情報サイトも、イングランドサッカー協会や、各州のサッカー協会が企業(スポンサー)と協力して行う色々なレベルのサッカーのカップ戦(イベント)も、地元のサッカー好きが個人で運営する地元のサッカー情報サイトも、どれも同じ。
そういう事ってスポーツする人々へ夢や喜びを与えてくれる。なぜなら、それら皆選手、それを取りまく人々の為にあるものだから。
「スポーツは人々に夢と感動を与えます」て言葉が、スポーツマーケティング、ビジネス、マネジメントの決まり文句みたいになってるけど、僕の場合、この「人々」と言う言葉は、全てのレベルのスポーツをする人々と言う意味になる。
企業の為にスポーツをビジネスとして使う事だけが、スポーツビジネスでは無い。スポーツをしたい人、している人、スポーツが好きな人の為にもスポーツビジネスは有効に使える。僕は何をするにしても、選手を一番にまず考えてやっていきたいと思っています。
そして、スポーツビジネスは、そのように凄い可能性を秘めたもの。


