今年もこの時期になると「911」関連のドキュメンタリー番組の数々がここイギリスで放送されている。イギリスのドキュメンタリー番組はその質が本当に高く、見てて実際面白いんだけども、やっぱり「テロ」や「911」の話しになると、その見方は一つに偏る。
現在北アフリカのスーダンに住むお友達のユミさんが、9月11日を迎えてスーダンからこんな日記を書いていた。以下、ユミさんのブログから。
昨年ニューヨークへ行く機会があった。
ワールドトレードセンター跡地は工事中で、その周りにはたくさんの観光客、賛美歌を歌う人たち、無数のメッセージが壁に貼られていた。「忘れてはいけない!」と。
テロリストのイメージはターバンを巻いた男たち。
遡って、1998年8月21日、アメリカは、タンザニアとケニアの米大使館爆破への報復とテロ抑止として、アフガニスタン、スーダンに対し、巡航ミサイル・トマホーク100発を発射し、計7カ所を攻撃した。それも突然。
スーダンの首都ハルツーム市内の薬品工場周辺では数十人の死傷者が出た。アメリカは「テロの首謀者がウサマ・ビン・ラディンだという“明白な証拠”があり、過去のテロ攻撃と今後のテロ計画の情報をもとに、スーダンの工場に化学兵器製造の疑いがある」ことを根拠にした。
その薬品工場は私が住んでいるところから、遠くないところにある。ほんとにただの薬品工場だったそうだ。そしてその廃墟はいまだそのまま。建て直しをするお金なんてないだろう。誰も賛美歌なんて歌ってない。黙祷をする観光客もいない。
今日、ワールドトレードセンターの悲惨な出来事を、繰り返してはならない人類の過ちとして、思い出す人は世界中に多くいるだろう。
私も、犠牲者の方々には心からご冥福をお祈りする。忘れちゃいけないとも思う。
じゃあ、8月21日、誰がアフガニスタンとスーダンの犠牲者を思っただろう。
命は奪うものでも、奪われるものでもないはずなのに。
Yumi@Sudanより「9月11日に思うこと」。
物事にはいつも、一つ以上の見方がある。それも忘れちゃいけない。


