今週からロンドン大学バークベック校での大学院生活が始まった。俺が入ったコースは、Sport Management and the Business of Footballというサッカービジネスのコース。イギリスには、サッカービジネスが学べる大学として、リヴァプール大学のサッカーインダストリーズ(MBA)とこのロンドン大学のバークベック校がある。
サッカーインダストリーズの方に出願をしようとしたものの、問い合わせてみたら職歴が最低一年を要するとの事であっけなく可能性はなくなり、第二志望としてバークベックに行かせてもらえる事になった。
1学期、2学期にそれぞれ3つのモジュール(教科)があり、一年間で合計6個のモジュールが組まれている。
今日は今学期のモジュールの一つ、Sport Business Management and the Football Industryの授業があったので、夜の6時から行ってきた。一回の授業は3時間。初めて会うクラスメイト。初めにみんなで自己紹介をしあった。
イギリス人よりも、海外から来ている学生の方が多かった。パートタイムで来ている人の中には、アーセナルなどのサッカー業界で実際に働いている人もいて、そういった人の話には実践的な内容ばかりでとても刺激的。
一番最初の授業という事もあって、指揮をとる先生のサイモンも気合を入れてこんな事を言ってた。「このバークベックのサッカービジネスのコースは、皆をサッカー業界に就職させる事が一番の目的だ」と。
こういう事を言う裏にはちゃんと理由があった。今日の授業の中での話しになったのだけど、イングランドのサッカー界もやはりアマチュアの集まりに過ぎないようなのだ。
去年バークベックのサッカービジネスを卒業した生徒が、先週ロンドンに本拠地を構えるあるプロサッカークラブのマーケティングマネージャの面接に行ってきたらしい。その面接を終えて帰ってきたその生徒の感想はと言うと、そのクラブは「アマチュア集団」だったとのこと。
プロではないアマチュア集団。これが大半の「プロ」サッカークラブのフロントの現状のようだ。
クラブのフロントは、元プロサッカー選手などが引退してそのまま入るケースが多い。だからサッカーは知っているかもしれないけども、ビジネスについては素人。挙句の果てに、その面接で「お前はovereducatedだ!」って冗談半分で言われたようなのだ。
それだけクラブのフロントの人間は、そういう教育された人間に対して排他的な態度を取る。100年以上も前に「趣味」で始まったイングランドのサッカーだけど、その「趣味」感覚がプロの世界にもまだまだ残っているらしい。
俺がイングランドに来て、セミプロクラブでサッカーするようになって初めて驚いたのが、その環境の良さや選手の給料。「なんでそんなにお金があるんですか?」と言う事だった。
でもセミプロクラブにしても結局は、ある一人の大金持ちの趣味に過ぎなかった。グッツ販売、チケット、試合後のバーでの利益、スポンサーなど収入源はあるが、彼らはそういったサッカービジネスをして利益をあげているわけでも何でもない。
ただ、チェアマンというサッカー愛好家の大金持ちが各クラブに居て、俺が本や音楽にお金を費やす感覚と同じで、彼らは余った大金をサッカークラブに費やしているだけにすぎなかった。
だからサッカークラブで利益を上げているところは、ほんの一部であって、殆どのクラブはアマチュアが行い赤字状態。そういう事から、サイモンは授業の前にあんな事を主張したのだと俺は思った。
プロクラブは知らないけども、少なくとも俺が見てきたセミプロクラブでは、監督含め上の人間は全てコネで成り立っている世界だった。選手も似たようなものだけど。。
クラブとしてはプロでも、人間はアマチュアな世界。


