日曜日にプレミアリーグ、アーセナル対(降格争いギリギリの)ウィガンの試合があった。その日、大学の帰りに行き着けのパブでハイライトを見ていたら、何やらウィガンの監督が試合終了後、主審に猛抗議をしている映像が流れていた。後々知ったけど、どうやら(ペナルティキックをウィガンに与えなかったと言う)主審の判定に抗議していたみたいだ。
その結果、ウィガンは1-2で負けてしまった。勝ち点ゼロ。現在ウィガンは下から4位に位置している。
そしてその後、ウィガンの監督はこんな発言をしてしまった。「このミスジャッジは、クラブにとって50ミリオンポンド(約120億円)の損害になりかねない」と。
これはつまり、下のリーグへ降格してしまったら、テレビ放映権などのお金が無くなり収入が激減してしまう事、そしてこの1月中に獲得した選手に費やしたお金(ある意味投資というかギャンブルと言うか)の見返りが無くなり、無駄に終わってしまう事を意味している。
ウィガンの監督、ついにこれを言っちゃったねぇ、なんて今日、クラスメイトのHidekiさんと話してた。降格する損害は確かに120億円くらいあるかもしれないけど、こういう事は暗黙にしておくべきだったのでは。
この前日記に書いたマネーリーグを見てみても、プレミアリーグクラブがどれだけ収入を得ているかが分かる。世界中のサッカークラブの収入トップ20位に、実に8クラブも入っている。このレポートを出しているデロイトは、数年後には約半分がイングランドのプレミアリーグクラブで埋まると予想している。
だからこそ、降格争いのクラブは是が非でもプレミアリーグに残りたいと願う。そして試合に勝つ為に選手獲得に大金を費やしてしまう。選手を獲得出来る期間というものが決まっていて、シーズンの終了する数ヶ月前(1月中)に決めなければいけないので、まさにギャンブルだ。
今年の1月中に選手獲得に使われたお金は62ミリオンポンド(約150億円)。この内、どこのクラブが一番お金を使ったかを調べてみると、順位が下のクラブ程使っている結果が出た。
このギャンブル、つまり選手に大金を費やしてしまう事が、収入に比べて利益があがらないイングランドサッカー界の理由でもあると言われているけど、デロイトの発行する最新のプレミアリーグクラブのファイナンシャルレポートを見る限り、チェルシーという300億円の赤字を余裕で出すクラブを除いて考えれば、14クラブが利益を上げていて、全体的に利益のあるリーグになっていると言う。
はて、何でこんなに利益が上がるようになったのか。不思議で興味がある。
それはちょっと置いておいて、例えば、最下位のクラブが全部で1万円を選手に費やしたとしたら、その上の順位に位置するクラブは一万円より多く(例えば2万円)を費やさないと、最下位のクラブより上に位置する事が難しくなる。
これは理論上そうなっている。必ずしもとは言わないが、かなり高い確率で、この「選手に費やす金額とリーグ順位」はポジティブな関係にある。
そしてその2万円を使ったクラブの上に位置するクラブは今度、3万円を使わないと駄目・・・・と言う風に、順位が下のクラブによって上に位置するクラブが選手に使う金額も変わってくる。
逆に、赤字垂れ流しクラブであるチェルシーのようなクラブが一度現れてしまっても(厳密に言えば、フリーザみたいなキャラのそのロシア人オーナーの出現による)、今度は上位から考えて、各クラブが選手に費やす金額も変わってきてしまう。
だから捨てるようにお金を使うチェルシーのオーナーの出現は、各クラブの出費をも増やした。
この下位クラブのギャンブルが無くなれば、プレミアリーグはもっともっと利益の出るサッカーリーグになるだろうと予想されるけど、そうする為に一番良い方法として、経済的に考えて造られたアメリカのスポーツリーグのように降格システムを失くす事がある。
そうすれば、シーズン終了が近づくにつれてギャンブルする事もなくなるだろうと経済学者さん達は考える。でも、それは逆に言えば、試合に勝つ事を諦めるという事にもなる。
この前の日記でも書いたように、降格の無いリーグの最下位クラブが、シーズンが近づくにつれて自然に何を考えるかというと、「失うものは無い!!」なんです。これは悪い事でも何でも無くて、普通に考えて当然の事。
ここでもし降格があれば、まだまだ負けられないし、試合に勝たないと駄目なので、心の持ちようも全然違ってくる。
だから、降格システムの廃止は、クラブの利益を考えた場合に限りもってこいのアイデアかもしれないけど、ファンの事や、もしくは選手のモチベーションを考えた場合には、あまり良いシステムとは言い難い。
さて、全体的に考えてどっちがいいのか。


