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2007年10月03日

Jリーグの人件費、収入と順位の関係性。

先日リヴァプールの矢島さんから、最近公開されたJリーグクラブの経営状況のデータを頂きました(PDFファイルからエクセルに落としてくれたので超便利です)。今回から、各クラブの人件費も記載されているので、どれだけのお金を選手(またはその他スタッフ)に費やしたかが分かりようになりました。

サッカーはある程度は試合に勝たないとファンもいなくなってしまうし、経営も成り立ちません。何の為に試合しているの?と聞かれたら、勿論、試合に勝つ為です。

試合に勝つ為には、有能な選手を集める必要がある。有能な選手はどこのクラブも欲しがるので、自由市場ではマーケットの作用が働き、彼らには高い給料が支払われます。皆が欲しいと思う有能な選手は、自然と高い値段が付けられる。

なので、選手に費やされた金額(人件費)と試合の成績には大きな関係があります。人件費を費やしているクラブ程、リーグ順位が上になる傾向があるのです。

つまり、ある程度の確率で成功をお金で買うことが出来るという事です。勿論、人件費を抑えても優勝してしまう例外もあるので、その関係性は完璧ではありませんが。

そこで今回、遂にJリーグも各クラブの人件費を公開してくれたので、人件費と試合での成功の関係を調べました。

グラフ1は、2006年度のJ1リーグの人件費とリーグ順位の関係(クリックして拡大)。これは回帰分析をグラフ化したものです。X(人件費)とY(順位)の値を対数で表していないので、少し見難くて申し訳ないです。

真ん中に引かれている線は回帰直線と呼ばれるもので、簡単に言えば、理論上の各クラブが費やした人件費から得られるべき試合の成績を表しています。例えば、一番右上の浦和レッズは、費やした人件費を考えると、理論上もう少しパフォーマンスを落としても良いという事。

しかし、費やした人件費から得られるべきパフォーマンスよりも上に居るので、人件費以外の他の何かの力が働いて、試合の結果にプラスに影響を与えているという事です。

一方、浦和レッズの下にいる横浜Fマリノスは、費やした人件費を考えると、リーグ全体で3位になってもおかしくはないのですが、現実は磐田、ガンバ、鹿島、川崎など、マリノスよりも少ない人件費のクラブより順位が下になっています。

つまり、効率よく人件費が使われていない事になります。

グラフ1J1wagesandposition0.JPG

この回帰線より上にいるクラブは、費やした人件費を考えた時、そこから得られるべき物よりも多くを得ていて、回帰直線よりも下に位置しているクラブは、得られるべきものを得ていないという事です。

なので、もし仮に全てのクラブが回帰直線上にぴったりと位置していたら、費やした人件費の分と同等の成績を完璧に得ている事になり、「人件費ランキング=リーグ順位である」になり、選手の市場は効果的な市場であると言えます。

ちなみに、どれだけ効果的かを知る為に、R二乗(R square)という値を見ます。グラフ1の場合、R二乗は0.34です。これは、リーグ順位の34%は人件費で説明する事ができ、残りの66%は他の要因で説明できるという意味です。

なので、Jリーグは、選手市場があまり効果的で無く、人件費では順位を表す事があまり出来ないと言えます。

ちなみにイングランドのプレミアリーグは、R二乗値が確か0.80か0.70くらいだったと思うので、80%は人件費で説明出来てしまい、Jリーグよりも効果的な選手市場であり、人件費がほぼそのままリーグ順位に反映されている事になる。

でも、この選手市場が効果的であればある程、お金で解決出来るリーグと言えるので、面白味が無いと言うことも出来ます。この点からするとプレミアリーグよりもJリーグの方が面白いと言える。

調子に乗って書いていたら長くなり過ぎてしまったので、この辺で結論にします。なぜプレミアリーグの方が、Jリーグよりも効果的な選手市場であるのか?

それは、Jリーグの選手市場には様々な規制が存在しており、あまり自由市場とは言えないからだと俺は思っています。ヨーロッパでは違法と見なされる規制も、(人件費を抑える為だと思うけど)Jリーグには存在している。

イングランドのサッカー界も、規制が厳しかった頃と現在のようなほぼ自由市場を見比べると、現在の方がより効果的であるとR二乗値で出ています。



グラフ2.2006年度J2リーグのリーグ順位と人件費の回帰分析。
グラフ2J2wagesandposition0.JPG


グラフ3.2006年度J1リーグのリーグ順位とクラブ収入の回帰分析。

グラフ3J1revenueandposition0.JPG

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これは2007年10月03日 16:40に投稿された日記です。

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